Thinking

ホテル・温泉旅館・ブライダルのプロモーションに関して

ホテルプロモーションの現状

2020年に向けて、インバウンド向けのプロモーションが必要というNewsを目にするようになってきました。
事実、海外からの旅行客は年々増え続け、インバウンド対策として、わかりやすい映像制作が必要になってきているのも事実です。

これまでホテルの魅力を伝える手段は、写真とコンテンツ(文字)に限られていて、映像まで手が回っていないというのが現状です。インターナショナル系のホテルチェーンや、国内でも星野リゾートさんをはじめ、大手企業が映像制作を始めていますが、まだまだ1軒宿を経営している企業においては映像制作をしていないところが多く、せっかくの魅力を伝えることが出来ていません。

これはユーザーにとっても不便な状況が続いていることも意味しています。

ユーザーにとっての映像の必要性

外国の人にとってだけでなく、日本人にとってもホテルや温泉旅館を探す際の判断基準は写真のみというのがほとんどです。
しかし、写真が綺麗で、実際に行ってみたら全く違う雰囲気にがっかりするということも多々あります。

期待していたものと、実際が違った際にどういったリスクがあるかを考えると、簡単なことでリピーターには決してなりません。
更にひどい場合には口コミにマイナス面を書き込まれてしまうことにもつながります。

これは経営的な視点で考えたときに、「一部屋でも空室を埋めたい」という”点で観た”経営判断やマーケティングからどこのホテルでも起こり得るミスです。

ユーザーは、「綺麗なホテルに泊まりたい」というモチベーションはもちろんですが、実は「満足したい」という潜在的な意識の方が大きい事実があります。この「満足したい」というモチベーションを反対から考えると「騙されたくない」という感情です。この人間本来の感情を無視したプロモーションは、逆効果につながるということを第一に理解しておかなければならないと思います。

映像は綺麗なものを作るのがゴールではない

人間本来の感情である、「満足したい」「騙されたくない」ということを考えると、写真にしても映像にしても演出の仕方が実は変わってきます。

それは、綺麗な映像、カッコイイ映像を制作することが答えということではなかったりします。

先に書いた大手ホテルチェーンや、ブランド確立されているホテルの場合は、そのブランドで集客に成功してきているので、イメージ映像がはまります。
しかし、そこまでのブランドがまだ確立されていないホテルや温泉旅館の場合は、ブランドイメージを推すよりも、料理、接客、お風呂、あるいはスタッフの笑顔など、そのホテルの最大の強みの部分にフォーカスした映像制作が必要になります。

建物が少し古くなっていても、綺麗なアングルだけを撮影するのではなく、そのままの「味」を演出して、そこで働くスタッフの「人」「笑顔」を中心にした映像制作の方がよっぽど効果性が高い作品が出来上がります。

「綺麗なホテル」「カッコイイホテル」だからユーザーが泊まりに来るということではなく、そのホテル、温泉旅館の魅力を引き出すこと、それがこれからの時代において永く続くサービスにつながるのではないでしょうか。

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