Thinking

映像を制作する前に目的を再度考える

映像・360度パノラマツアーを制作するには、制作目的を再度考えることから始める

自社のプロモーションに、映像や360度パノラマツアーを導入、検討する企業は業界問わず増えてきています。
せっかく制作した映像を最大限活用するためには、いくつかのポイントがあり、動画、360度パノラマを制作して終わりではなく、いかにユーザーに観てもらうかをしっかり設計することが大切です。そして、そのために初めに映像プロモーションを制作する目的をしっかりと整理する必要があります。

動画・360度パノラマツアー制作の目的

まず動画制作と360度パノラマツアー制作の価値を明確にすると、主に以下の3つになります。

①ブランド力を上げる

特にプロモーション動画制作の方は、企業のブランド力を高める効果が期待できます。またブランド力を高めるイメージ映像制作と、情報量(Infomation per Time)を高める動画制作と、業界業種によってそのバランスが変わってきます。ホテルやブライダル業界は比較的イメージ寄りの映像制作、歯科医院は情報量重視の映像制作が効果性が高く、このバランスは、各業界のユーザーニーズによって変わります。
また、動画プロモーションと同時に360度パノラマツアーを制作する場合は、動画をブランド力UPのイメージ寄り映像とし、パノラマツアーを情報伝達用に制作することが出来ます。パノラマツアーを導入しない場合は、情報量にフォーカスした映像制作が効果的です。

②情報を多く届ける

ブランド訴求のイメージ動画と比べて、情報量にフォーカスするのが360度パノラマツアーです。360度パノラマツアー内に動画を埋め込むことももちろん出来ますが、ポップアップ演出が出来るので、各施設の設備や特徴、強みをユーザーに届けることが出来ます。

③自社ホームページ滞在時間と離脱率を下げる

動画にしてもパノラマツアーにしても、自社ホームページに埋め込むため、ページ離脱率を下げ、ページ滞在時間を上げる効果があります。
これはSEO対策としても重要な視点で、上位表示につながることで、認知度アップ効果も期待できます。

そしてこの三つのポイントを抑えることで、集客という最終目的につながります

目的を明確にしないことによる問題点

わざわざ動画、パノラマツアー制作のポイントと目的を整理し直したのには理由があります。それは、ポイントと目的をしっかりと明確にしないと、いくつかの問題が生じてしまうからです。映像自体単にカッコいい映像を作ってしまったり、埋め込んだ後のホームページの演出の仕方が適当になってしまったり、そもそもパノラマツアー制作は「綺麗な建物」でないといけないという勘違いが生まれてしまいます。

①カッコイイ動画を求めてユーザーニーズに応えていない映像を制作してしまう問題

一番多いのが、このケースです。最終目的の集客につなげるはずが、単なるイメージ動画だけを作ってしまうケースはどこの業界でも起こり得る話です。ユーザーが予約をする際に求めている情報を映像に入れることが、映像プロモーションには必須です。
また例えば歯科医院における360度パノラマツアー制作では、開業したての医院や、リニューアルしたての若い先生向けと勘違いされるケースもあります。360度パノラマツアー制作は、患者さんが必要としている情報と、医院の特徴・強みを映像に入れて届けることが重要で、綺麗な医院という雰囲気を演出するものではないということです。

②ホームページに埋め込む際の問題

映像プロモーション制作がゴールになっていると、出来上がった時点で満足してしまい、ホームページに埋め込む位置と、前後のコンテンツまでしっかりと設計しないということが起きます。せっかく制作した映像を、これまでのコンテンツを上位に、ページ最下部に掲載してしまうケースや、映像の上下に映像を見るためのアシスト文章を入れないのでは、なかなか再生されず、ユーザーに届けることが出来ません。
また、映像を埋め込む位置から、別のページにつながる導線を明確にすることが必要です。それは予約ボタンだけでなく、次の他のページに誘導することで、その映像を観ていた分のページ滞在時間を確保することにつながります。GoogleSEOのアルゴリズムでは、最終離脱ページの滞在時間を加味しないと言われているため、出来る限り映像で上げた滞在時間をカウントするために次のページへ誘導する必要があります。
ホームページに埋め込む際に重要なポイント

③制作すべき優先順位が変わる問題

各業界によって導入する映像の優先順位が違ってきます。
例えば歯科業界では、患者さんが治療先を決める際の一つの大きな要因として、歯科医師の人柄や表情、安心感があります。これは360度パノラマツアーだけで演出することが難しく、インタビュー動画を優先的に作ることが重要です。
逆にホテルの場合は、イメージ動画を優先するよりも、部屋の雰囲気、設備、景色を演出する方が予約率アップにつながるため、高品質360度パノラマツアーがより有効です。
キャンプ場の場合は動画が効果的ですが、インタビュー動画よりも自然環境全体を映すものがユーザーニーズに応えることになります。そうはいっても雰囲気だけの映像では足りず、サイトの広さや炊事棟の設備など、情報の量も重要になってきます。

業界、自社の強みを見極めた演出をする

このように、映像プロモーション制作においては、まず初めに制作の目的を明確にする必要があります。

またそれは業界ごとにユーザーニーズが異なり、更に業界の中でも施設の特徴や強みによって演出の仕方が変わってきます。
プロモーション動画でブランド価値をどう演出するのか、そして360度パノラマツアーの中でどのような情報をユーザーに届けるのか。それぞれの映像の役割をしっかりと理解して、それぞれの演出方法の強みを最大限引き出していくことで、ユーザーの感動につながり、集客につながる映像プロモーションとなると考えています。

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