Thinking

マーケットイン|ディシジョンファクター

マーケットインのアプローチ

映像プロモーション制作において、プロダクトアウトとマーケットインの両方が必要ということは前の記事で書きました。

技術面のプロダクトアウトは、高品質360度パノラマツアーのように、これまでなかった最新の技術を常に取り入れるという意味で分かりやすいのですが、情報面のマーケットインをどのように映像に埋め込むのかというノウハウを持っている映像制作会社はなかなか無いようです。

マーケットインの映像制作が生まれない理由

映像に入れる情報にマーケットインの視点が反映されにくいのにはいくつかの理由があります。

①ノウハウがない

そもそもマーケットインの視点を具体的に明確にするノウハウを持っていないケースがほとんどです。映像プロモーション自体、まだまだ浸透していない状況です。個々のホテルや温泉、ブライダル、キャンプ場、歯科医院など、弊社がサポートしている業界でも映像プロモーションを個別に作るというのは始まったばかりです。そのため、対応する個別の企業プロモーション制作を行う会社の多く(特に費用が安いことをウリにした小規模制作会社)がカメラマン・クリエイター発想から始まり、「クリエイターが作りたい」という映像制作になっている現状です。つまり、カメラマン、クリエイター主導なので、マーケットインの概念、ノウハウをそもそも持っていないということが、一つ目の理由です。

②依頼する企業の意思決定者が現場に出ていない

これはプロモーション制作だけに限った話ではありませんが、映像制作を依頼する企業さまの意思決定者が、そもそも自社サービス展開における現場に出ていないということがあります。キャンプ場、歯科医院などは比較的小規模企業体なので、現場に出ていないというケースは稀ですが、ホテルやブライダルでは現場のお客様の喜ぶ瞬間を見ていないことから、ユーザーの本当のニーズに気付きにくく、数字、もしくは自身の価値観からくるイメージで映像制作を依頼してしまうケースが多くあります。

③BtoBだと思っている

映像プロモーション制作会社の多くが、ビジネスモデル自体をBtoBと捉えています。映像制作した際のフィーは依頼した企業さまからいただくので、間違っていないのですが、あくまで映像制作の目的は依頼した企業さまの集客アップであり、そこからつながるリピート、口コミによる永続的な集客アップです。BtoBという価値観で考えると、映像制作した後の効果性になかなか気付きづらく、エンドユーザーのCの視点がどうしても抜けてしまいます。

④営業、クリエイター、ディレクターの教育体制

営業、クリエイター、ディレクターに対する教育体制もあります。そもそも映像制作会社としてマーケットインの視点、ノウハウを持つ企業がまだ少ないということが問題ですが、実際の現場サイドのスタッフにマーケットインの教育が出来る企業も少ない現状があります。「お客様のことを考えろ」という上司がいたとしても、それを見える形で教育出来るノウハウを持っていないことも、マーケットインの視点を映像に組み込めない理由となっています。

マーケットインの導き方

マーケットインの導き方はいくつかノウハウがありますが、そのうちの一つを簡単にご紹介します。

例えば歯科医院のプロモーション制作で説明します。

STEP1:ゴールの明確化

まず一番初めに大切なのは、映像制作のゴールを明確にするということです。このゴールを明確にするということを不明確にすると、効果性が一気に下がります。

映像制作のゴールは、患者さんが問い合わせ、もしくは予約を入れることです。

当たり前のことですが、意外に現場に入るとほとんどのケースでその認識が不明瞭になっていることがわかります。
予約、問い合わせにつなげることがゴールなのに、治療法の詳細を映像にたくさん入れたり、CT診断機材をとにかく前面に押したり、ドクターの経歴を延々と表示するといったことが見受けられます。

STEP2:ディシジョンファクター

あくまでゴールを明確にして、次のステップはその「予約、問い合わせ」をする時のディシジョンファクター(意思決定要素)を出します。
どういった要素が揃うと患者さんは医院に問い合わせ、予約をするのかということを明確にします。ここで出した全ての要素が満たされたときには、ゴールに設定した「問い合わせ、予約をしたい」というディシジョン(意思決定)につながります。

STEP3:ツリー制作

ディシジョンファクターで明確にした意思決定要素の各項目に対して、更に要素を細分化します。例えば、「料金に納得している」とうい要素は、「自身の経済状況」「治療に対する価値の納得」「支払い方法の納得」などいろいろ細かな要素に分けることが出来ます。各項目を出来る限り細かく分けること(ツリー制作)で、映像制作において抑えるべきポイントが明確になってきます。

ディシジョンファクターを導くために

この3つのSTEPから映像制作につなげていくわけですが、実はそれぞれのステップにおいても他に多くのポイントが裏側にはあり、更にこのSTEP以降にも様々なカラクリがあります。

例えば、「問い合わせをしたら必ず治療を受けることになるのではないか」という多くの患者さんが無意識に感じている不安をどうやって解除するのか、更にそもそもその患者さんが不安を持っているという視点をどうやって導き出すのか、など経験とノウハウがないとこのディシジョンファクターに応える映像にすることはできません。

つまり、この科学的(再現性があるという意味)アプローチは、各業界のことを理解していない限りは成立しないものなのです。

株式会社live forが他の映像制作会社と大きく違うのは、この業界ごとのディシジョンファクターを導くノウハウがあり、更に現場においてクライアント企業さまも気付いていないニーズを導き出すことが出来、それを映像制作に生かすことが出来る点です。

キャンプ場、歯科医院をはじめ、各業界の現場まで足を運び続けているのはこういった見えないユーザーニーズを発掘し、プロモーションの精度を高めるためです。株式会社live forの提供する映像プロモーションが「高品質」と言えるのは、360度パノラマツアーをはじめ技術的に高いということだけでなく、莫大な時間をかけて科学的に映像制作を行っているからなのです。

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