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動画がどこまで身近になってきているか

動画がどこまで身近になってきているか

もはや、動画が浸透してきていることを改めて書く必要がないくらい、動画が身近な存在になってきています。
2018年の総務省の調査レポートを見てみると、20歳以降全世代平均で74.5%の人がすでにYouTubeなどの動画共有サービスを利用し、今後も利用したいと答えています。
若い世代ほど動画利用率が高く、60代でも60%近い人が動画を利用していることが分かります。
また、全国平均以上、以下の世代で考えると、40代と50代の間に線引きが出来ます。40代で今後も利用したい人が79.5%なのに対して、50代は68.5%と10%ほどの開きがあります。

出展:総務省

数年後、10年後を考える

各業界、あるいは施設によってターゲット顧客の世代に差がありますが、重要なことは、「現在」ではなく「将来」です。
それぞれの世代での利用率に差が出ていますが、これが数年後、10年後を考えると、更に身近に利用している全体数が確実に上がります。
将来なりたいものとしてYouTuberが挙げられる世代がこの先にはいて、より当たり前に動画を観る時代になってきます。

世代に合わせたプロモーション映像

映像がどんどん当たり前になる中で、次に重要になるのが、これを各業界、施設のターゲットに当てはめたプロモーション動画を制作することです。
各世代、業界に合わせて少しずつポイントが変わってくるので順にみてみましょう。

■高級ホテルの場合
利用顧客層が50代、60代になってくると、ゆったりとした画面切り替え、各シーンを少し長めに制作することで、動画を受け入れやすくする。

■歯科医院の場合
・小児矯正:30代から40代の親世代向けを考え、院長の人柄を推すインタビュー動画制作。
・成人矯正:20代女性ターゲットで医院の雰囲気を中心にした医院紹介動画制作。

■キャンプ場の場合
・ファミリー向けキャンプ場:30代から40代の親世代向け映像制作。特に母親が気にするトイレ、水回り等の清潔感を伝える映像、川遊びなど子供が楽しめる環境についてのシーンを多めにし、かつイメージ優先で宿泊費が高いというイメージにならないようなシンプルなエフェクトによる編集。
・グループ向けキャンプ場:場内設備はもちろん、少し明るく楽しい演出、キャンプ場周りのアクティビティなども入れた映像制作。
・グランピング:20代女子キャンパー、カップル向けでおしゃれなイメージ中心で、場内のイメージインサートシーンを多めの映像制作

動画制作の落とし穴

上に書いたのはあくまで一例にすぎず、それぞれの施設のコンセプトによってもまた変わってきますが、なぜわざわざある意味当たり前のことをご紹介するかというと、それでも動画制作における落とし穴に気付かないケースが見られるからです。

最大の落とし穴は、「作りたい映像」を作ってしまうことです。

具体例で見てみると、

ファミリー層のキャンパーさんをターゲットにしているキャンプ場なのに高級感あるイメージ映像を制作してしまうケース
医療機関としての技術力や安心感を伝えずに医院内にマイクロドローンを飛ばして「カッコイイ映像」を制作してしまう、まるでテレビCMのような「スタッフ一同、待ってまーす!(^^)/」というケース
やたらシーンの切り替えが激しく、BGMもハイテンポの高級温泉旅館の映像を制作してしまうケース

ここでも紹介してきましたが、「カッコイイ映像」と「ユーザーの求める映像」にはギャップがあります。
いくら動画が身近な存在になってきたとしても、競合の施設が動画プロモーションを作っている、あるいはこれから作るのもどんどん当たり前になります。
その動画当たり前の中でいかにして販売、集客につなげられるかは、やはりユーザーの「購入・行きたい」につながる要素を紐解くことから始めることが重要ではないかと考えています。

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